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二〇〇六年四月より日本列島を流浪しております。 その記録です。 写真はクリックで若干大きくなります。
 
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■旅のはじまりは4月だった。2年がかりで金を貯め、昨年の秋に友人2人とキャンピング・カーを共同購入、2月いっぱいで仕事を辞め、はれて長野より出立いたした。
図らずもエロかっこいい書き出しになってしまった。何事か。なにごとかと自分でも思う。齢25にしてこんな旅に出てしまった。出発前、放浪の旅ってエロかっこいいと思っていた。実際はエロくもなくかっこよくもない。どちらかといえばくさい。男3人の異臭がたちこめる車を駆って、長野から京都、神戸、淡路島経由で四国、瀬戸大橋を渡って岡山、鳥取、そのまま日本海を北上して金沢、新潟、秋田、青森、フェリーで函館、そして北海道をぐるりとまわって7月の半ば、札幌に到達した。そして札幌で僕はキャンピング・カーを降りた。こまかい理由は色々とあるけれども、大きな要因は、違ったスタイルで旅を続けたいと思ったからで、別にケンカとか、そういうことじゃないの。4ヶ月弱、けっこう贅沢な旅をしていた。寝る場所には車があるから困らないし、メシにも金をふんだんに遣った。ふつうに店で酒も飲んだ。にょほほにょほほと移動しながら生きておった。そして、必死に自転車をこいでいる旅人をびゅうと車で追い越したり、苦悶の表情を浮かべながら巨大なバックパックを背負っている若者と居合わせたりしたとき、あーー、と思った。後半はけっこう頻繁に、あーーと思っていた。そして僕の吐息は、あーー、はふぁー、うん、ようし、という展開をみせた。

■北海道に入ってから僕はおもむろに友人に話を切り出し、何回か話し合いがもたれ、そして断が下された。ちょっとした事務的な作業があり、札幌のアウトドアショップで巨大なバックパックを買い荷物を詰め替えた。背負ってみたらちょう重いでやんの。ああ、これから余裕なくなるなあ、と思った。油断したらやられる、と思った。でも油断しなければやられない。
余った荷物は実家に送った。ダンボール一箱とボストンバッグ一つ。チャリはそのまま車に搭載しておいた。僕ともう一人、藤井氏が車を降り、Kelton Boyer氏はそのまま車で駆け巡ることになっていた。Kelton氏と別れ、車から離れると世界はバックパックに凝縮された。奇妙な昂揚感を覚えた。でもてくてくと歩いてたら首肩腰が痛くてそれどころではなくなった。荷物はもっと減らせるだろう。たぶん服持ち過ぎだしスニーカーも別に要らないかも。用心のためクスリもいっぱい入れちゃった。このままじゃムリかもしれない。心折られるかもしれないアルよ。アイヤー。と思いながら札幌を歩いた。バックパックは肩にぐいぐいとくいこむ。

■僕と藤井某は札幌の友人、安倍氏に2泊させてもらった。ここからは温情依存型の旅になってくる。持つべきものは友人、非常に身に沁むる言葉であります。あな有り難し。あな。
そして月曜の朝、安倍氏の宅を出て、藤井某とも離れ、北海道をもう少しぷらぷらしようと思い、いった。青春18きっぷを買い青春18キッパーとなった僕は、糞、このうすらでかいバックパックさえなければなあ、と思いながら電車に乗る。方向を転換するときにしばしば周囲にアタックしてしまい、主人を非常な恐縮に至らしめるこの糞バックパック。でかいよ君。ジャマだよ。でもああ、そういえば僕もこのフレーズでよく罵られている。似たもの同士だね、僕たち。仲良くしようね。ビーマイフレンド。ヒアウィートゥギャザー。

■北海道のカントリーサイド、それからいくつかの島を巡った。歩行に次ぐ歩行。退化していた歩行機能を強引に呼び覚ますウォーキン。長く歩いた末にみるよい景色は格別によい。迫りくる。車で行って見るのとは別の響き方をした。
夜は野営に次ぐ野営。人生の青空教室。マットを敷いて寝袋にくるまる。闇。冷気。風。蚊。騒音。でも思ったよりはいける。愉しい気もする。
でかい荷物を背負って歩いていると、生かされている感じも強くなってくる。そこかしこで、旅してるんですか?と聞かれた。何人かはがんばってと励ましてくれ、別の何人かは自分もそういう旅をした、と語った。また「差し入れ」と言って食べ物をくれる人もいた。それからヒッチハイクにも3回ほど成功した。職人風の兄さん、札幌から出張に来ていた上司&部下、新潟から島に移住してきたヒゲの男性。
ここ数日間で、何度「ありがとうございます」と言ったか知れない。遺憾の意を表明しているヒマもない。生かされ侍になっている。はっは。生かされザムライ。生かされ侍?決闘でやられて地面に倒されて、さあひとおもいに殺してくれ、と言うのに、「無駄な殺生はしない」と恩赦をかけられた侍?そういう類の侍がいたとしたら僕はそういう類の侍であった筈だ。

■とにかくしばらくの間、日本を流浪ながら生きてみます。よろしくお願いします。
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